こんにちは。現在幼稚園で保育補助としてパート勤務しているもちこっぺです。(まもなく40歳)
20代は幼稚園で9年ほど担任をして、出産後は保育園でパート勤務、そして昨年からは幼稚園で
パート勤務をしています。
最近テレビでよく目にする不適切保育のニュース、あれ?昔働いていた園では やってる人普通にいたような・・・あ、これもアウト!?と昭和生まれの自分はたまに戸惑っているのが正直なところ。今回は同じように少し保育に迷いが生じてきた方の為に改めて不適切保育について深堀りしたいと思います。

この記事の対象
・現在子どもと関わる仕事をしていてより保育の質を高めたい!という向上心がある人、又自分が不適切保育をしていないか確認したい人
・自分の子どもを幼稚園や保育施設に預けているが我が子への関わり方に疑問を抱くような職員がいるという人
この記事でわかる事
①どういった事が不適切保育にあたるの?~より良い関わり方やちょっとしたアイデア。
➁そもそもなぜ不適切保育は行われてしまうのか?
➂まとめ
①どういった事が不適切保育にあたるの?より良い関わり方やアイデア
今回は全国保育士会が作成、公開している「保育所・認定こども園等における人権擁護のためのセルフチェックリスト」が比較的分かりやすいのでこちらをもとに進めたいと思います。
全国保育士会のチェックリストはこちら>>
5つのカテゴリーに分けられています
1子ども一人ひとりの人格を尊重しない関わり
2物事を強要するようなかかわり・脅迫的な言葉がけ
3罰を与える・乱暴なかかわり
4一人ひとりの子どもの育ちや家庭環境を考慮しないかかわり
5差別的なかかわり
ではさっそく見ていきましょう・・・
ここではまずはじめに良くないと考えられるかかわりを紹介してから、次により良いかかわりへのポイントを時々私のアイデアを取り入れながらみていきたいと思います。
①子ども一人ひとりの人格を尊重しないかかわり
- 登園時…
✖朝母親に抱かれて、なかなか離れられない子どもに「ずっと抱っこしてもらっていると恥ずかしいよ」と言葉をかける⇒
〇「恥ずかしい」という表現は大人の価値観の押し付けになる可能性あり!基本的にこのワード自体あまり使わないほうがいいみたい。子どもの気持ちに寄り添いつつ気持ちが切り替えられるよう働きかけるとgood。私はよく次の遊びの提案や持参したタオルのキャラクターを見せたりしてますがどうしようもないときは笑顔で抱っこですね(結局⁉) - 日中…
✖製作活動でこどもが描いた作品を見て「そこ違うよ。もう一枚描いてみる?」とだけ言って
描きなおすように働きかけた⇒
〇子どもの自由な発想を認めるかかわりが大事。未来のピカソになるかもしれません。おおいに褒めましょう!
✖排泄の失敗への対応をその場で行ったり、周囲に知らせたり、その失敗を責める言葉がけをする。⇒
〇子どもの羞恥心や傷ついた気持ちに配慮し、トイレ等人目につかない場所で「着替えをしたら気持ちよくなるからね」等と声をかけて対応しましょう。これはほんとに圧力をかけていい事ひとつもなし!成功できた時に沢山認めるのが結局最短コース。
✖子どもが友達をたたく等、良くない事をした際に執拗に責めるような言葉がけをする。
〇子ども自身が状況を理解するための言葉がけは大切ですが、必要以上に責めるのはNG。
✖子どもが保育者に話しかけた際、「いま忙しいから後にして」という。
〇子どもが話そうとした時はできるだけ耳を傾けましょう。すぐに対応できない時は後で必ず「さっきは何だった?すぐに聞けなくてごめんね。」と聞くようにしましょう。「先生に話しを聞いてもらえて嬉しい、また話したい」と子どもが感じることが信頼関係の構築につながります。ってあの子たちわ~って来るからなぁと思いつつこちら側の心の余裕がなにより大切ですね。
✖苦手なことを渋っている子に、「早くやって。できないなら後ろに行って。」と言ったり、他者と比較したりするなど、否定的な言葉がけをする。
〇保育者が子どもの頑張ろうとするとする気持ちを置き去りにした発言をすると、子どもは自分を否定されていると感じます。自己肯定感を育む言葉がけを…これ割とまだ浸透してない感覚あるなぁ。もうとにかく子どもってシンプルに楽しそうって思った事はしてくれるのでいかに次の行動を楽しいものに変えるかが保育士の腕の見せ所ですね。とはいえ一人の子の為に全員に待ってもらうのも可哀想だし…補助の先生がいるかいないかってのも大きなポイントといえそう。
- 昼食時…
✖食事の際、こぼす等の理由でテーブルに給食メニューをすべて配膳せず、食べたら次のおかずをあげる。または、こぼすたびに叱りながら食べさせる。
〇食への意欲・関心を育むためには、すべての献立を配膳し、こども自身が好む順番で食べられる環境を設定することが必要です。また、こぼす、こぼさないに着目するのでなく、食べる意欲を育む環境づくりに努めましょう。…昔横行してた三角食べはNGということでしょうな。 - 降園時…
✖お迎えに来た保護者に「A君は今日はケンカをしてお友達を泣かせてしまいました」と他の保護者にも聞こえるように言う。
〇子どもの自尊心を傷つける行為。また保護者が気まずい思いをしないよう配慮が必要です。トラブルや困りごとを成長段階としてとらえ親子にとって相手の気持ちを理解することや物事の良し悪しを学ぶ機会となるようにかかわりましょう。…トラブル発生時にいかに子ども同士のやり取りを細かく聞きとれるかで親子の納得度も変わる気がします。これがまだ話せない乳児だとほんとに大変(結局よく子どもを見ていないといけないということですね) - その他…
✖子ども同士のトラブルが起きたとき、子どもたちの言い分を聞かず一方的に判断を下す。
〇こどもそれぞれに理由があってトラブルは起こっています。トラブルも子どもにとっては貴重な経験です。保育者の一方的な考えで判断するのではなく双方の言い分を聞きお互いが納得する解決へと導きましょう。…ごもっともです。
✖自分から訴えてトイレに行けるようになった子どもに対して「おしっこ出ない」と訴えていてもトイレに行くよう促す。
〇自分の感覚で排泄を知らせることができる子どもに保育者の都合で強制的に排泄を促すことは、子どもの自主的な行動の妨げになります。子ども自ら排泄を訴えることができる配慮をしましょう。…昔は当たり前にやってしまっていて反省です。
➁物事を強要するようなかかわり・脅迫的な言葉がけ
- 日中…
✖集団行動をするための言葉がけをした際、言葉がけを聞かない子どもに「〇〇しないなら〇〇できないからね」と言葉をかける。
〇「〇〇しないなら〇〇できない」との言葉がけは、子どもたちに行動を強要するかかわり
(脅し)。子どもたちが自分自身で考え、行動する力を育む言葉がけをして子どものやる気を育てていきましょう…脅しはほんとに即効性があるからこれは母としてもついついやりがち。とにかく頭フル回転にして次の楽しみな行動を提案するのが理想…意外とささいな事で切り換えてくれる事もあって…先日も断固として上着拒否なガールがいたのですが、一度共感からの「先生も今から着るから一緒に着ようか♪じゃ右手から~」ですんなり着てくれました(心でガッツポーズ) - 昼食時…
✖…ごはんをこぼしたこどもに対して床に落としたものを拾って食べるように促す。また他の子どもが大勢いる前でそのことを指摘する。
〇…衛生的でなく大人は決してしない事を子どもに強要するべきではありません。また他の子どもが大勢いる前での指摘は「この子はいつもこぼしている」との先入観を子どもたちに持たせる事につながります。子どもたちが互いに尊重する心が育つよう配慮しましょう。…先生の発言の影響力って確かに大きいからささいな事でもよく聞いてるなぁと思うこと結構あるから気を付けねば! - 午睡時…
✖…なかなか」寝つけずにいる子に「早く寝てよ。あなたが寝ないと仕事が出来ないんだよね。」という
〇…自分の仕事を優先して考えるのではなく子どもの気持ちやその日の状況に配慮したかかわりをしましょう…って以前勤めていた保育園は部屋の仕切りなしのワンフロアだったからこれ言いたくなる気持ち実はメチャ分かってしまう!(とくに頭を使う仕事を進めたい時とか作り物の準備したい時とか)心の中で留めましょう。 - その他…
✖…どなったり「〇〇しなさい」との言葉や子どもが怖がるもの(鬼等)を使ったりして子どもを保育者の思いどおりに動かそうとする。
〇…子どもに恐怖心を与えて保育者の指示に従わせるのではなく、子どもが自ら行動できるような言葉がけを心がけましょう…先ほどの脅しNGと同様。結局保育者の気を引きたいだけの子もいるからダメな事をした時だけ声をかけるのではなくできたり当たり前にできていることもどんどん褒めていくと良いね(カリスマ保育士てぃ先生が言ってた笑)
➂罰を与える・乱暴なかかわり
- 日中…
✖…子どもの人数チェックをする際子どもの頭を手ではたくようにして人数を数える。
〇…子どもによっては頭を叩かれたと感じることもあります。人数をチェックする際も一人ひとりの顔を見ながら丁寧にかかわりましょう…そうなの⁉とビックリ。気を付けましょう。
✖…並ぶときなどに子どもの自発的行動を待てず腕を掴んで引っ張る。
〇…大人が子どもの腕を引っ張ると脱臼等のけがをする恐れあり。丁寧な言葉がけで子どもが納得して自ら行動できるよう配慮しましょう。
✖…子どもを注意する際に「だめよ!」と言って子どもの手を叩く。
〇…叩くという行為は虐待。また保育者の叩くという行動を子どもが真似てしまうこともあります。暴力的な行動によって指示に従わせる事はNG。暴力からは何も生まれませんよね。 - 午睡時…
✖…なかなか眠らない子どもに布団を頭からかぶせるなどして強引に押さえつけパンパンと強く布団を叩く。
〇…子どもに恐怖心を与えるだけでなく窒息の恐れもあります。また強く叩いても子どもは眠る事ができません。子どもにそっと手を添えたりゆったりとリズムを刻むなど子どもが安心できるかかわりをしましょう。…私も寝かしつけ不得意だったなぁ。上手な人の真似をしたり直接秘訣を聞いてました。
その他…
✖…保育者が子どもに注意をしたが言う事を聞かなかった子どもに対し廊下に立たせる、散歩に行く際に置いて行こうとするなどの罰を与える。
〇…保育者の言う事を聞かない等の理由で」罰を与える事は虐待です。子ども達が見通しをもって行動できるよう具体的で分かりやすい言葉がけをしましょう…これはほんとに正論なのはわかる。けれども発達グレーの子や本当に切り替えに時間がかかってしまう子もいて限られた時間内でその子一人の為に何十分も対応する訳にいかなかったりじゃあ他の子は待たせていいのか?とかとか考えさせられる項目。フリーの先生に頼って個別対応する事が今考えられる最善かなぁ。
④一人ひとりの子どもの育ちや家庭環境を考慮しないかかわり
- 降園時…
✖…いつも時間ぎりぎりのお迎えになる子どもに対して「〇〇ちゃんのお母さん今日も遅いね」という。
〇…子どもは口に出さなくても最後のお迎えになることを耐えている場合が多くあります。「大丈夫だよ。先生と一緒に待っていようね」等子どもの気持ちに寄り添った温かい言葉がけをしましょう。 - その他…
✖…登園が遅い、服が汚れている、お風呂に入っていない、提出物の遅れ等の際に子どもに「また○○君のお母さん忘れたの。いつも忘れて困るね」や「昨日お風呂に入れてもらわなかったの」など否定的な言葉がけをする。
〇…子どもの家庭の置かれている現状は様々です。保護者を否定される事で子どもは自身の存在も否定されているようになります。保護者を否定するような事は子どもに対し伝えないようにしましょう。…言葉の暴力はNG。
✖…いつもぎりぎりの時間にお迎えにくる保護者に「いつもぎりぎりですね」と言ったり保護者が提出物を忘れた際に「いつも忘れて困ります」と言ったりする。
〇…保護者への支援も保育者業務の一つです。保護者に対して否定的な言葉がけをするべきではありません。一人ひとりの保護者の状況をふまえ、保護者の養育力の向上につながるようなかかわりを心がけましょう。
✖…「お休みの日にどこに行ったかお話して」との問いかけについてクラスの子ども達『全員』に発表してもらう。
〇…子ども達の家庭の経済状況や環境の違いを理解し、子どもの気持ちに配慮した問いかけを心がけましょう。…お当番さんインタビューで週明けよく休日何をしていたか発表してもらっていたけどそれはいいのかな…
⑤差別的なかかわり
- 登園時…
✖…挨拶をしてきたか否かにかかわらず特定の子どもにだけ「おはよう」と言葉がけをするをする
〇…どの子どもに対しても一人ひとり顔をみて挨拶しましょう。また登園時は視診の時間である事を意識しましょう。 - 日中…
✖…いつまでも泣いている男の子に「男の子だからいつまでも泣かない」や、乱暴な言葉使いをする女の子に「女の子だからそんな言葉を使ったらいけない」と注意する。
〇…性別を理由に注意することは差別的なかかわり。一人ひとりの違いを認めかかわりましょう。 - 昼食時…
✖…少食の子に対して子どもの意見を聞かず初めから非常に量を少なくして配膳する。
〇…子どもの思いを無視しているかかわり。子どもが「少なくしてほしい」と自分の思いを発せられるようにかかわる事が大切です。 - 午睡時…
✖…寝かしつける際にいつも同じ子どものそばにばかりつく。
〇…特定の子どもばかりを極端にひいきすることは差別的なかかわりです。子ども一人ひとりの背景や思いに配慮しつつ平等に対応する事も必要。 - 降園時…
✖…クラス全員で帰りの支度をしている時になかなかできない子どもに「〇〇ちゃんは早くできないのね。だめな子になっちゃうよ」と言う。
〇…子どもの心を傷つける言葉使いは子どもの人格を否定する行為です。また、他の子ども達の前での保育者の悪意ある発言は子ども同士の「いじめ」につながることもあります。
➁なぜ不適切保育が行われてしまうのか?
あくまで私自身が現場で感じた事ですが、不適切保育と言われる行為やその一歩手前な指導をしている保育士は皆心に余裕がなく時間に追われていたり仕事量が多く大きな負担を抱えている、給料も安い所がほとんどです。また以前勤めていた保育園はいつも人手不足なため来るもの拒まず状態で有資格者なら誰でも採用していたので保育士として明らかにスキル不足でも担任を任されていたので、園によっては国の人員配置を満たすことで精いっぱいな所もあるかと思います。又保育士同士の人間関係が悪い等々・・・そういった状況で大きなストレスを感じ冷静な判断ができず子ども達にあたってしまたり心無い言葉をかけてしまっているのは現実問題としてあると思います。
定期的な研修や指導の機会を設けて、さらにそれを共有できる職場環境がある園は個々の意識も高く指導にあたる事ができているので、とにかく一人で抱え込まず誰かを頼ったり職場の人でいつもと様子が違うなと感じた際は声を掛け合っていく事が大切です。
そしてもし自分のお子さんや大切な人が不適切な扱いを受けた際は勇気をもって園の関係者に相談したり、職員で疑問を感じる場面を見かけたら上司に相談し子ども達が安心して通える工夫をする必要があると思います。(簡単にできる事ではないのは分かってます!でも子ども達が健全に育つため勇気を出さなきゃですね)
➂まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。今回は全国保育士会の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を元にどういった事が不適切保育に該当するのかをみていきましたが、不適切保育はこれ以外にも色々な行為があげられると思います。そして保育、教育の難しい所は正解がないというところです。同じ言葉をかけてもある人にとっては傷付き不適切だと判断される事もあれば、ある人にとっては励みになる…そんな世界です。
大切なのはそこに愛があるかどうかではないかと思うのです。難しい事は分からないし私自身へましてばかりのポンコツ保育士ですがとにかく「目の前の子どもの笑顔を引き出したい」その一心で関わっています。おそらく今自分が関わっている子ども達が大きくなった時ほとんどの子は小さかった時の細かい記憶等残っていないだろうし先生の名前も覚えている人のほうが少ないと思います。それでもふとその子達が過去を振り返った時に「なんか知らないけどいつも笑顔で接してくれたな、抱きしめてくれたひとがいたな、応援してくれてたな…」なんて思って前に進むきっかけとなってくれたらそんな嬉しい事ありません。私たちが関わっている子ども達は未来の日本を支える宝です。皆で大切に育てていきたいですね。
今回の記事で少しでも誰かの力になれたら幸いです!!!

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